あと308日!【権利関係⑨賃貸借契約】
どうも!
タッケンです!
本日は
「権利関係」
の
「賃貸借契約」
について勉強したいと思います。
<まずは過去問!>
AがB所有の建物について賃貸借契約を締結し、引渡しを受けた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても、この転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。
- AがBの承諾を受けてDに対して当該建物を転貸している場合には、AB間の賃貸借契約がAの債務不履行を理由に解除され、BがDに対して目的物の返還を請求しても、AD間の転貸借契約は原則として終了しない。
- AがEに対して賃借権の譲渡を行う場合のBの承諾は、Aに対するものでも、Eに対するものでも有効である。
- AがBの承諾なく当該建物をFに転貸し、無断転貸を理由にFがBから明渡請求を受けた場合には、Fは明渡請求以後のAに対する賃料の全部又は一部の支払を拒むことができる。
正解:2
うわーーーーーーーーーーーああああああああ
ああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ
<解説>
1:正しい⭕️
民法の条文通りに考えると、
賃借人が賃貸人に無断で転貸した場合、
貸借契約を解除できます。
ただ判例では、
「賃貸人に対する背信的行為と
認めるにたらない特段の事情があるときは、
契約を解除することはできない」
となってます。
2:誤り❌
賃貸人Bと賃借人Aとの間の
賃貸借契約が、
Aの債務不履行により解除された場合、
D間の転貸借契約における
転貸主Aの債務も履行不能となり、
転貸借契約は当然に終了します。
※この場合、Bは賃貸借契約の解除について、
Aにのみ催告すれば十分であり、
Dに対して延滞賃料支払の機会を
与える義務はありません。
3:正しい⭕️
賃借権を譲渡する場合に必要とされる
賃貸人Bの承諾は、
賃借人Aに対するものでも、
転借人Eに対するものでも、
どちらでいいです。
4:正しい⭕️
無断転貸の場合、
賃貸人Bは賃貸借契約を解除しなくとも、
転借人に対して建物の明渡しを
求めることができます。
この場合、転借人Fは、
転借人としての権利の全部または
一部を失うおそれがあるので、
転貸人Aに対する賃料の全部または
一部の支払を拒むことができます。
<もっと詳しく>
※今回は「民法」の賃貸借です!
「借地借家法」とは別です。
賃貸借契約とは、
賃貸人(かす人)が、
賃借人(かりる人)に目的物を
使用収益させ、
賃借人が、
対価(賃料)を支払う
契約のことです。
そして、賃貸借契約は
当事者の合意のみで成立します。
賃貸借の存続期間は
原則として20年を超えることができません。
当事者間で20年を超える期間の定めをしても、
その期間は20年に短縮されます。
また、
賃貸借契約で定めた期間が満了した後、
その期間を更新することができますが、
更新の時から20年を超えることはできません。
『 期間の定めのない
賃貸借の解約の申入れ 』
当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、
各当事者は
いつでも解約の申入れ
をすることができます。
この場合においては、
解約の申入れの日から
下記期間を経過することによって、
賃貸借契約は終了します。
- 土地の賃貸借 → 1年
- 建物の 〃 → 3ヶ月
- 動産の 〃 → 1日
『 賃貸借契約の更新 』
賃貸借の期間が満了した後、
賃借人が賃借物の
使用収益を継続する場合、
賃貸人が
これを知りながら異議を述べないときは、
従前契約と同一の条件で
更に賃貸借をしたものとなります。
この場合、
存続期間の定めのない賃貸借
になります。
当事者は、
いつでも解約の申し入れができ、
解約の申し入れから、
土地の賃貸借は1年経過後、
建物の賃貸借は3か月経過後、
動産の賃貸借は1日経過後
に終了します。
『 不動産賃貸借の対抗力とは? 』
不動産の賃貸借の場合、
これを登記すると、
その後その不動産について
物権(所有権など)を取得した者
に対しても対抗できます。
(賃貸借の登記は、
賃貸人と賃借人が共同して行う)
『 賃貸人と賃借人の義務 』
・賃借人
- 目的物を使用・収益させる義務
- 目的物の使用収益に必要な修繕を行う義務
- 賃借人が、必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちに償還を請求でき、賃貸人は必要費を負担しなければならない
- 賃貸人は、賃借人が有益費を支出したときは、賃貸借の終了のときに、価格の増加が現存する場合に限り、償還しなければならない。
・賃借人
- 定まった用法に従って使用収益する義務
- 使用収益に対する対価(賃料)を、毎月末、毎年末に支払う義務(後払いが原則)
- 善管注意義務
- 賃貸借契約終了時に、借りたときの状態に戻して返還する義務(目的物返還義務・付属物収去義務)
『 賃借権の譲渡・転貸の制限 』
賃借人は、
賃貸人の承諾を得なければ、
その賃借権を譲り渡し、
又は賃借物を転貸することができません。
(無断転貸は禁止)
賃借人が上記に違反して、
第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、
賃貸人は、
契約の解除をすることができます。
(無断転貸した場合、原則、契約解除できる)
例外:
「背信的行為と認めるに足らない特別な事情」
があるときは解除できません。
一部修繕が必要な場合は、
「必要費」
と
「有益費」
があります。
屋根の雨漏り修復など、
目的物の使用に必要な費用を必要費、
老朽化による壁紙の張替えなど、
目的物の価値を増加させる費用を有益費
といいます。
必要費を支出した賃借人は、賃貸人に対して直ちに償還を請求することができます。
い、有益費を支出した賃借人は、賃貸借契約終了時に、目的物の価格の増加が存在している限り、償還を請求することができます。
『 転貸の効果とは? 』
適法に転貸した場合、
転借人Cは、
賃貸人Aに対して
直接に義務を負います。
具体的に
転借人Cが賃貸人Aに負っている義務は、
「賃料支払義務」
「用法に従って使用する義務」
「目的物返還義務」
「付属物収去義務」
です。
賃料の支払い義務について、
賃貸人は、
賃借人にも転借人にも
支払い請求ができます。
賃貸人Aは、
転借人Cに対して、
賃借料・転借料の低い方の額
しか請求できません。
『 賃貸借解除にともなう転貸借 』
たとえば、賃貸人Bが賃料の延滞などの
「債務不履行」
に陥ってAB間の賃貸借契約が解除された場合
- 賃貸人Aは「転借人Cに催告なし」で対抗できる
- 合意解除の場合、賃貸人は解除を持って転借人に対抗できない
- 「期間満了」「解約の申し入れ」の場合、賃貸人Aは転借人Cにその旨を「通知」しなければ対抗できない
<まとめ>
・賃貸人の承諾がなければ、
賃借権の譲渡・転貸をすることはできない
・賃貸人に無断で
賃借権の譲渡・転貸をした場合、
賃貸人は賃貸借契約を
解除することができる!
(背信的行為と
認められない場合は解除不可)
・賃借権の譲渡の場合、
賃貸人は、賃借権の譲受人(新賃借人)
に対してのみ賃料を請求することができる
・転貸の場合、賃貸人は、賃借人だけでなく、
転借人に対しても賃料を請求することができる
・賃借権が譲渡された場合、旧賃借人は、
賃貸人に対して敷金の返還を請求することができる
(賃貸人の地位が移転した場合は、
新賃貸人に対して請求する)
だす。