あと300日!【権利関係17:手付】
本日は
「権利関係」
の
「手付」
について
勉強します。
<まずは過去問!>
2 解約手付の契約は、売買契約と同時に締結しなければ、効力を生じない。
3 買主が手付を交付した後、契約に基づいて中間金の支払いを済ませた場合でも、契約に別段の定めがなく、売主が履行に着手していなければ、買主は、手付を放棄して、当該契約を解除することができる。
4 買主が手付を交付した後、売主の責めに帰すべき事由により売主の債務が履行不能となった場合において、損害賠償額について契約に別段の定めがないときは、その額は手付の倍額とされる。
正解:3
いやっっほうwwww
<解説>
1:誤り❌
当事者が手付に関して契約に
別段の定めをしなければ、
当該手付は解約手付となるが、
契約に別段の定めがあれば、
その定めに従います。
宅地建物取引業法で、
手付に解約手付としての性質が必ず付与されるのは、
宅地建物取引業者が「自ら売主」で、
買主が宅地建物取引業者でない場合です。
宅地建物取引業者の媒介によるものであるから、
解約手付となるとは限らないです。
2:誤り❌
解約手付の契約は、
売買契約に付随する別個の契約であり、
売買契約と同時にしなければならない
という規定はないです。
3:正しい⭕️
買主が売主に手付を交付したときは、
「相手方」が契約の履行に着手するまでは、
買主はその手付を放棄し、
売主はその倍額を償還して、
契約の解除をすることができます。
ただ、「自ら」は履行に着手しても、
「相手方」が履行に着手していなければ、
契約を解除することができます。
4:誤り❌
手付解除の問題ではなく、
債務不履行による解除の場合です。
債務不履行解除の場合、
「損害賠償額について契約に別段の定め」
(損害賠償額の予定)がないときは、
手付の額とは関係なく、
債務者の証明した実損額が、
損害賠償の額になります。
<もっと詳しく>
『 手付とは? 』
売買契約締結の際に、
買主から売主に交付される金銭を言い、
3種類あります。
- 証約手付:契約が成立したことを約束するための手付
- 違約手付:買主が契約を履行しないとき、売主が没収できる手付
- 解約手付:相手方が契約の履行に着手するまでの間であれば、①買主からは手付金を放棄して、②売主からは手付金の倍額を返還して、契約解除できる
相手方が契約の履行に着手する前であれば、
契約解除できます。
- 売主から解除する場合
売主は、買主が契約の履行に着手するまでの間であれば、売主は手付金の倍額を買主に返還して、契約解除することができる - 買主から解除する場合
買主は、売主が契約の履行に着手するまでの間であれば、買主は手付金を放棄して、契約解除することができる
たとえば、
甲地の売買契約において、
買主Bが売主Aに手付として
100万円を交付した場合、
売主Aは、買主Bから預かった100万円
+
自己負担分100万円
の合計200万円を
買主に償還して解除できます。
(手付倍返し)
一方、買主Bは、
売主Aに預けた100万円を
そのまま売主にあげて
(放棄して)
解除できます。
(手付放棄)
『 履行に着手とは? 』
買主が履行に着手:
中間金を支払った場合、残金を支払った場合など
売主が履行に着手:
引き渡しをした場合、所有権移転登記をした場合など
手付による解除を行うことにより
損害が生じても、
損害賠償は発生しません。
解約手付が交付されている場合でも、
債務不履行が生じれば、
債務不履行による解除を行使することはでき、
この場合債務不履行のルールを使うので、
解約手付の金額に関係なく
損害賠償請求はできます。
<まとめ>
手付は
宅建業法か
権利関係のどちらかからでます。
基本は変わらないので、
どっちもやって勉強しましょう。