【宅建試験まで365日!】

【2020年度試験に向けて】独学で1年間、毎日勉強

あと303日!【権利関係14:抵当権】

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本日は

「権利関係」

「抵当権

(物上代位、法定地上権、賃借権)」

について

勉強します。

 

 

 

<まずは過去問!>

 

 

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
  2. 甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。
  3. AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。
  4. Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

権利関係は大っ嫌いです。

 

 

 

 

 

<解説>

 

 

1:正しい⭕️

 

土地と土地上の建物が

同一の所有者だったにも関わらず、

土地又は建物に設定された

抵当権の実行によって、

所有者が別々になると、

土地上に建物を所有する権限が失われます。

建物を取り壊すのはもったいないので、

このような場合、建物について、

地上権が設定されたものとみなします。

これを法定地上権といいます。

土地上に建物を保有し続けることができます。

建物のある土地について

抵当権を設定した後に

建物を第三者に譲渡し、

その後に土地が競売されていますが、

この場合も、法定地上権が発生します。

Dは、Cに対して、

甲土地の明渡しを求めることはできません。

 

 

 

2:誤り❌

 

Bは甲土地に対して

抵当権を有しているに過ぎず、

甲土地上の建物について何らの権利を有していません。

甲土地上の建物が焼失して

火災保険に基づく損害保険金

発生したとしても、

Bは損害保険金を請求することができません。

※甲土地上の建物に

抵当権を設定した場合であれば、

抵当権者は、建物焼失時の火災保険金に対して、

抵当権を行使することができます。

これを上代といいます。

 

3:正しい⭕️

 

抵当権の順位は、

抵当権者の合意によって

変更することができます。

ただし、利害関係者がいるときは、

その承諾を得る必要があります。

ここでいう利害関係者とは、

順位の変更により自らの地位に影響を受ける者、

たとえば、転抵当権者のことをいいます。

債務者や抵当権設定者は、

利害関係者に該当しません。

Aの同意がなくても、

抵当権の順位を変更することが可能です。

 

 

4:正しい⭕️

 

Fは、抵当権付きの土地を購入した人、

抵当不動産の第三取得者です。

したがって、抵当権消滅請求をすることができます。

抵当権消滅請求は、

まず第三取得者(F)が

抵当権者(B)に対し、

民法383条所定の書類を

送付することで始まります。

 

 

 

<もっと詳しく>

 

 

『 抵当権とは? 』

 

抵当権とは、

担保物権」の一種で、

分かりやすい簡単な例が、

お金を貸した時に

不動産等で保証してもらうことです。

たとえば、

BがAにお金を貸しました。

このことにより、

債権者Bは「Aに対する貸金債権」を有します。

貸したはいいけど、

お金が返ってこなかったら債権者Bは困りますよね!?

この貸金債権を保証(担保)するために、

債権者Bは、A所有の建物に抵当権を設定してもらいます。

そうすることで、

もしAが返済できなかったとしても、

Bが抵当権を実行して(競売にかけて)、

競売代金から返してもらう(優先弁済を受ける)

ことができます。

 

 

 

『 抵当権を設定できるものは? 』

 

抵当権の設定できるもの(対象物)は、

不動産地上権永小作権です。

これらを抵当権の目的物といいます。

※土地の賃借権には抵当権を設定できません。

 

 

 

『 抵当権の成立要件 』

 

抵当権者と抵当権設定者の

抵当権設定契約によって成立します。

成立は契約によるので、

質権とともに約定担保物権です。

抵当権者は債務者である必要はなく、

三者でも抵当権を設定できます。

 

 

 

『 対抗要件 』

 

抵当権は登記をすることで

対抗力を備えます。

抵当権の順位は登記の前後(先後)によります。

一番初めに登記された抵当権を

「1番抵当権」、

そのあとに登記された抵当権を

「2番抵当権」という風に呼びます。

 

 

 

『 効力 』

 

抵当権の効力は大きく分けて下記3つに及びます。

  • 土地と建物

抵当権を設定した土地や建物について

抵当権の効力が生じます。

もし、土地付き建物があって、

建物だけに抵当権を設定した場合、

建物だけに抵当権が及び、

土地には抵当権の効力は及びません。

逆も同じです。

 

  • 付加一体物(付合物・従物)

 

付加一体物とは、

抵当権を設定した不動産にくっついている物を指し、

細かく分けると「付合物」と「従物」に分けられます。

 

付合物とは、

たとえば、建物の増築部分や土地上の

取り外しの困難な庭石を指します。

付合物については、

抵当権設定前後に関わらず

抵当権の効力が及びます。

一方、従物(従たる権利)については、

抵当権設定当時に存在したものに限って、

抵当権の効力が生じるとされています。

たとえば、建具や畳、取り外しのできる庭石等、

土地賃借権もです。

ガソリンスタンドの店舗建物に

抵当権を設定した場合、

地下タンクや洗車機については、

従物」として抵当権設定当時に

存在していれば抵当権の効力が生じると

判例ではいっています。

 

果実とは、抵当権を設定した物から生じる収益をいい、

天然果実」と「法定果実」の2つに分けられます。

天然果実とは、

たとえば、農地に抵当権を設定した場合、

その農地で収穫される農作物を指します。

法定果実とは、

たとえば、賃貸用マンションの「賃料」や

土地の「地代」、貸付金の「利息」などです。

法定果実については、

払い渡し前に差し押さえることで

抵当権の効力が生じます。

 

 

 

『 被担保債権の範囲 』

 

抵当権の被担保債権は、

金銭債権です。

抵当権で保証してもらう大元の債権です。

お金を貸したはいいけど返済されないと困るので、

抵当権を設定してもらうわけです。

この場合の貸金債権が被担保債権です。

そして、「被担保債権の範囲」とは、

貸したお金(元本)はもちろん、

利息、遅延損害金や違約金など

元本に付随(ふずい)するものも含まれます。

ただし、後順位抵当権者などの

利害関係人が存在する場合、

利息や遅延損害金については

最後の2年分に限られます。

 

 

 

『 譲渡 』

 

たとえば、抵当権者Aが、

抵当権を設定していない無担保の

債権者Bに抵当権を譲渡することを言います。

この場合、Aの配当額の範囲内で

Bが優先弁済を受けることができます。

 

 

 

 

『 放棄 』

 

たとえば、抵当権者Aが、

抵当権を設定していない無担保の

債権者Bに抵当権を放棄することで、

AとBが同順位となり、

Aの配当額の範囲内で、

AとBの債権額の割合でそれぞれが

優先弁済を受けることができます。

 

 

 

 

『 順位譲渡 』

 

たとえば、抵当権者Aが、

後順位抵当権者Bに抵当権を

譲渡することを言います。

この場合、AとBの配当の合計額の

範囲内でBが優先弁済を受けることができます

 

 

 

 

『 順位放棄 』

 

たとえば、抵当権者Aが、

後順位抵当権者Bに抵当権を放棄することで、

AとBの配当の合計額の範囲内で、

AとBの債権額の割合で

それぞれが優先弁済を受けることができます。

 

 

 

 

 

<まとめ>

 

 

 

今回は非常に難しい項目です。

 

得点しやすい項目

理解してればそれとなく取りやすいです。

 

得点しにくい項目

 

毎年出題されるにも関わらず、問題が難しく、勉強してもなかなか得点できないところです。捨て問としている場合も多いです。

 

 

捨ててもいい問題かも

 

だす。